Q:「お父様のご趣味は?」
小学校受験の面接で実際に問われた質問です。
最近は受験のプロからレクチャーを受けて本番に臨むご家庭ばかりで「志望動機」などの定番の問題では差がつきません。
そのため学校側も本音を聞き出すための質問を用意しています。
A:「ゴルフです。」
このような答えはどうでしょうか。
実はコレ、NG回答です。
この質問を通じて聞きたいのは「父子の関係」です。面接官はお父さんの趣味に興味などありません。
日頃、どのように家族との時間を過ごしているのかを聞かれていると考えれば、「ゴルフ」が的外れな回答であることをご理解いただけると思います。
それでは次の問題はいかがでしょうか?
Q:あなたの短所は何ですか?
A:時間にルーズなことです。そのため早め早めの行動を心掛けています。
こちらもNG回答です。
中学校では「短所は直すように努力しているとフォローできればOK」と指導されることもあるようですが、高得点を狙える回答ではありません。
そもそも大勢の生徒に集団行動をさせなければいけない学校教師は、時間にルーズな生徒を嫌います。私は高校の先生から嫌われるかもしれない人物像であることを、面接の場でアピールする必要はありません。
◆高校受験の面接における評価項目とは?
学校により評価項目は異なりますが、概ね共通してとわれているのは次の4点です。
①志望校に対する熱意
⇒受験する学校について調べた?
⇒学校説明会や文化祭には参加した?
②主体性・協調性・積極性
⇒自分で考えて行動できる?
⇒集団行動はできる?
⇒苦手なことにも取り組める?
③教養とマナー
⇒身だしなみは大丈夫?
⇒面接の手順、姿勢、言葉遣いは練習してきた?
⇒高校生としての教養は身についている?
④学習意欲と将来のビジョン
⇒部活で頭がいっぱいになっていない?
⇒勉強も頑張れる?
⇒将来の夢や卒業後の進路は具体的に考えている?
模範解答を載せてしまうと、受講生が不利益を被る可能性があるため控えますが、どのような質問であっても、このいずれかをアピールしようと思って考えてみると、大きな間違いはないでしょう。
学校の先生は、たくさんの生徒にアドバイスをする必要があるため、「志望校ごとに必要な回答」という観点では教えてくれないことがほとんどです。
◆「自分と違う意見=嘘をつく」と考える前に…
面接の指導をしていると、素直に真実を答えるべきだと反論されることがあります。
ですが、面接試験は質問に対して面接官が喜ぶような回答をできるほど高得点を取れるのですから、高得点を取るために必要な準備をすべきです。
必要な準備とは、面接官の先生たちに「是非うちの学校に来て欲しい」と思われる人物になることです。そうすれば、正々堂々、正直に話をするだけで合格ができます。
本来すべき準備(受験校に受け入れられる人物になること)ができていない上に、そのような人物がもつべき考え方(模範的な解答)すら受け入れようとせず、僕(私)の考えを貫き通す、そんな姿勢が面接で評価されるはずはありません。
面接試験は、合格後にどのような生活を過ごすのかを見つめ直すチャンスでもあります。
「自分にとってどんな学校があっているのか」ということばかり考えがちですが、「自分はこの学校に受け入れられるような生徒なのか」、もしそうでなければ「受験までにどのような努力をすべきか」考えましょう。
そして受験校が決まったのであれば、1点でも高い点数を取るための準備をし、万全を期して本番に臨みましょう。