※過去に当塾で指導した県内私立中高一貫校生の中2当時の成績表です。氏名・学校名等は伏せて掲載しています。

私立中高一貫校は授業の進度が速く、使用する教材の難易度も高い傾向にあります。そのため、一度授業内容の理解に遅れが生じると、現在の学習と過去の復習を並行して進める必要が出てくることがあります。

今回は、私立中高一貫校に通う中2生が夏期講習前に入塾し、どのように学習方針を切り替えて数学の学年順位を立て直したのか。実際のロードマップを公開いたします。

実際の順位推移:139位→56位→87位→64位

まず、入塾前後での数学の学年順位(定期テスト)の推移です。

  • 1学期期末(入塾前):139位

  • 2学期中間:56位

  • 2学期期末:87位

  • 学年末:64位

入塾直前の1学期期末では数学の学年順位は139位でした。夏期講習後の2学期中間では56位まで上昇し、その後の2学期期末テストでは87位となりましたが、学年末には64位となっています。

全教科の総合順位も、入塾前の1学期期末は122位でしたが、学年末には60位となりました。

私立中高一貫校の速いカリキュラムに対し、当塾ではどのような学習設計を行ったのか。時期別の取り組みを解説します。

【課題の分析】宿題が多い環境。あえて「基本教材」で負担を減らす

入塾時の状況を確認すると、学校の授業や教材の難易度に対して、基本事項の理解を補う必要がある状態でした。

さらに、この生徒の学校では、授業進度が速いだけでなく、日々取り組む課題も多くありました。数学の基本事項を補う必要がある段階で、塾でも学校と同じ難しい課題をこなそうとすると、生徒への負担が大きくなりすぎてしまいます。

そこで当塾では、普段の授業では学校の難しい指定教材をメインで扱わず、「公立中学生が使用する、教科書の基本問題レベルに絞ったテキスト」を採用し、まずは学習の負担を軽減しながら進めることにしました。

【中2・夏期講習】基本レベルに絞り、先取りを進める

夏期講習のまとまった時間を利用し、数学の「先取り学習」を進めました。夏期講習中の先取りでは、難問や応用問題まで広げず、公立向けの基本レベルに絞って予習を進めたことで、夏休みが終わる頃には学校の進度に対して余裕を作ることができました。

【中2・2学期以降】「普段は先取り、テスト前は応用」の役割分担

2学期以降も基本レベルの先取り学習を継続しました。この生徒については、学校よりおおむね「2ヶ月以上先」の基本内容まで進めることを一つの目安にしました。

  • 普段の学習: 先の単元の「基本」を確実に理解し、余裕を作る。

  • 学校の授業: 塾で基本を先に確認した状態で、学校の授業や応用問題に取り組む。

そして、定期テスト前には無理に新しい教材を増やさず、学校で配布されている問題集を解き進める時間に充てました。 また、この生徒の学校では、高校入試の過去問(主に私立高校の入試問題)を素材とした応用問題も定期テスト対策として必要でした。そのため、学校の課題に加えて、私立高校の過去問を中心とした個別の対策プリントにも取り組みました。

普段の授業では基本を先取りし、テスト前には学校の課題や入試レベルの応用問題に取り組む時間を確保しました。その後、2学期中間では数学の学年順位が56位まで上昇しました。

2学期期末で一度87位となりましたが、学習方針は大きく変えずに基本の先取りを継続し、学年末時点では、基本問題レベルに限れば新学年の1学期内容(約4ヶ月分)まで進んでいました。学年末の数学順位は64位となっています。

結論:難しい学校に合わせた教材を、無理に塾でやらなくてもよい

今回の事例から言えるのは、「私立中高一貫校で教材が難しく宿題が多いからといって、塾でも常に同じように難しい問題をやらなければならないとは限らない」ということです。

学校の授業でつまずいている場合、焦って応用問題に取り組むのではなく、まずは基本レベルの教材に絞って負担を減らし、「先取り」のサイクルを作る。そして、テスト前に集中して学校の課題や応用問題に取り組むことが、立て直しの一つの方法になります。

私立中高一貫校の進度や日々の課題にお悩みの方は、現在使用している教材の難易度や学習ペースが本人の状況と合っているか、一度見直してみることも重要です。

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