「英単語帳はどれを選んでも同じ」「とりあえず一番売れているものを買えばいい」。 大学受験において、そのようなアドバイスを耳にすることがあるかもしれません。しかし、当研究所が現在進めている独自のデータ分析から、「志望する大学のレベルや出題傾向によって、最適な英単語帳は驚くほど明確に分かれる」という事実が判明しました。

本記事では、最新の大学入試過去問(2024・2025年度)の長文に登場する英単語と、市販の主要な英単語帳の収録語彙をシステムで突き合わせて算出した「真の単語カバー率」の速報データをお届けします。

1. 共通テスト・中堅私大には「頻出順・1語1義」が最強のコスパ

まず、大学入学共通テストや日東駒専レベル(今回は日本大学で検証)の英語長文を分析したところ、非常に興味深いデータが得られました。 このレベル帯の試験においては、『英単語ターゲット1900』のような「頻出順・1語1義」をコンセプトとした単語帳が、軒並み90%以上の圧倒的なカバー率を叩き出したのです。 また、英検2級レベルの語彙力でもほぼ同等のカバー率を記録しました。つまり、中堅大や共通テストを主戦場とする受験生は、複雑な学術語彙に手を広げるオーバーワークを避け、「標準レベルの単語を、1秒で意味が言える状態になるまで高速で何十周も回す」ことが最も効率的な(コスパの良い)戦略であるとデータが証明しています。

2. 超難関大(東大・京大・早慶)には「学術特化・網羅型」が必須

一方で、東京大学、京都大学、あるいは早稲田大学(政治経済学部)といった超難関大学の長文になると、景色は一変します。 これらの大学では、社会科学や哲学などの極めて抽象的な論説文が出題されるため、標準的な単語帳ではカバー率が80%台前半まで落ち込むケースが見られました。ここで無類の強さを発揮したのが、『鉄緑会東大英単語熟語 鉄壁』や、最新改訂版の『LEAP』といった、派生語や学術テーマごとの語彙を深く掘り下げた網羅型の単語帳です。 これらの単語帳、あるいは「英検準1級レベル」の抽象語彙をインプットしておくことで、超難関大の長文であっても未知語の割合を劇的に減らす(カバー率90%超え)ことが可能になります。

3. 難関国公立大には「バランスと深さ」が求められる

千葉大学や北海道大学などの上位・難関国公立大学はどうでしょうか。 こうした大学では、硬い論説文だけでなく「物語文・エッセイ」や「対話文」が頻繁に出題される傾向があります。物語文には「日常的な動作」や「情景描写」の単語が多く使われるため、論説に偏った単語帳では意外な「抜け」が生じます。 当研究所のデータでは、語法や周辺知識が細かくインデックス化されている『LEAP』や、日常表現に強い『DUO 3.0』などが高い適性を示しました。

4. 単語帳は「何冊もやる」より「1冊を極める」が大正解

「では、志望校に合わせて単語帳を2冊、3冊と追加していくべきか?」というと、結論は「NO」です。 実は、どの大学の過去問においても、主要な単語帳をすべて統合した際の最大カバー率は「95〜98%」で完全に頭打ちになります。

残りの数パーセントの「未知語」は、出題者が意図的に「前後の文脈や接頭辞(un-など)から意味を推測してほしい」と考えて配置している単語か、あるいは「その学部を受けるなら知っていて当然の専門用語(テーマ語彙)」です。 これらは市販の単語帳を追加しても解決しません。自分に最も合った単語帳を「1冊」徹底的に極め、90%前後のベースを作った後は、過去問演習を通じて「未知語を推測する力」と「学部特有の背景知識」を鍛えるフェーズに移行することが、合格への絶対条件となります。


【その他の単語帳データや、詳細な分析について】

本記事では『ターゲット1900』や『LEAP』『鉄壁』などの一部のデータをご紹介しましたが、当研究所のデータベースにはまだまだ多くの情報が蓄積されています。

  • 「ターゲットの最大のライバルである『システム英単語』のカバー率は?」

  • 「長文の中で覚える『速読英単語』はデータ上どう機能するのか?」

  • 「自分の今の学力と第一志望校に最も相性の良い単語帳はどれ?」

こうしたネットには公開していない未公開の分析データは、当教室に通う生徒たちの無駄のない学習計画の作成や、志望校に向けた的確な指導のためにフル活用しております。

「自分の志望校に合った一番効率的な勉強法を知りたい」「データに基づいた確かな指導で合格を掴みたい」とお考えの方は、ぜひ一度、当教室までお問い合わせください。データ分析に裏打ちされた、最適な学習ルートをご提案いたします。

※カバー率を算出する際、中学卒業までに習得しておくべき基本的な単語を除外しております。

※見出し語以外の関連語なども含めた、索引ページ記載の単語をもとに検証しました。